あまりにも懸命に愛せる人を探し求めてたけど、やめた方が案外と見つかるかしら。
2015年5月17日付 The Official UK Singles Chart 第48位(3週チャートイン・最高位 第29位)。
今回は、Rae Morris(レイ・モリス)の『Love Again(ラブ・アゲイン)』をおすすめします。

Rae Morris(レイ・モリス)は、イギリス・ブラックプール出身の22歳。
4歳からピアノを弾き始め、大学ではアドバンスレベルで音楽と演劇を学んだ経歴の持ち主。
今年、アルバム『Unguarded』でデビューしたシンガーソングライターですが、繊細で儚げな歌声ながら、すでに貫録がありますね。
私は度々、BBCラジオで耳にしたのですが、ケイト・ブッシュに通じる楽曲の素晴らしさと天性を感じたのです。
偶然にも、このイギリスのインタビュー記事でも、インタビュアー自らが、ケイト・ブッシュの『Running Up That Hill』を思わせると綴っています。
私だけじゃなかったみたいですね。
Musician Rae Morris interview
歌詞の世界観は、まるで弱ってしまったかのように足は冷たく、口も何も話せないぐらい弱ってしまった私。
そんな自分になってしまったのが怖くて、ずっとずっと何かを一生懸命すぎるぐらい探している。
かといって、何も見つからず。
Looking for, looking for to love again
(愛せる人を愛せる人をずっと探してる)
と歌っているのです。
この歌詞では愛せる人や愛せることを探していますが。
どん底に落ちて、これではいけないと思って色々と打開を試みるものの、空回りして余計に落ち込んでしまい、もう何もしない方がかえって良いんじゃないかと思いながら、最後のサビでは「I don’t know where to start at(どこから始めればよいのか分からない)」という歌詞を乗せてくるので、ちょっと焦っている心情ともいえるでしょうか。
私もたまにそんな感じになることあります。
現実を忘れさせてくれるような幻想性と、魔法を含んでいるような世界。
エモーショナルだけど、静観しながら、感情を吐き出してゆく感じが、この『Love Again』にも溢れています。
こういう楽曲は、一度聴いたら、全身に浸透して忘れられないですね。
アルバム『Unguarded』の他の曲も素晴らしく、非常に丁寧に作られているのが分かります。
『Do You Even Know?』や『Grow』、『Do it』もおすすめです。
久し振りに、スピリチュアルで英知を感じる新人が現れましたね。