Zach Bryan(ザック・ブライアン)feat. Kacey Musgraves(ケイシー・マスグレイヴス)『I Remember Everything(アイ・リメンバー・エヴリシング)』

スポンサーリンク

思い出したくないけど思い出してしまうんだ、すべてを。

2024年1月14日号のbillboard The HOT100 第5位(19週チャートイン 最高位 第1位)

2024年1月12日分 UK Official Singles Chart Top100 第14位(20週チャートイン 最高位 第14位)

今回は渋く憂いのあるサウンドに男女の静かな歌声がマッチしたZach Bryan(ザック・ブライアン)feat. Kacey Musgraves(ケイシー・マスグレイヴス)の『I Remember Everything(アイ・リメンバー・エヴリシング)』をおすすめします。

Zach Bryan(ザック・ブライアン)は父親が沖縄基地で海軍に所属していたため、日本・沖縄県で出生した27歳(※2024年1月現在)。

その後オクラホマ州で育ち、17歳の時には自身も入隊し、海軍に8年間従事。

14歳で曲を書き始めていたザックは、海軍に勤務している間も自分の音楽を制作し、2017年にYoutubeにアップロードし続け、2019年に亡くなった母親に捧げたデビューアルバム『DeAnn』をリリース。

メジャーレーベルでのデビューアルバム『American Heartbreak』はビルボードチャート200で第5位に入るという快挙を見せました。

現在はオルタナティブなカントリーシンガーとして注目されています。




Kacey Musgraves(ケイシー・マスグレイヴス)は、アメリカ合衆国テキサス州ミネオーラで生まれた35歳(※2024年1月現在)。

8歳でソングライティングに着手、18歳でカントリー・ミュージックを始め、2012年にシングル『Merry Go Round』でデビュー。

同年、イギリスで開催された人気カントリーグループ・レディ・アンテベラムのアルバムツアー『Own the Night』に同行し実績を積みます。

カントリー歌手のミランダ・ランバートなどに楽曲を提供する作曲家としての才能も認められており、2022年には日本のSUMMER SONICで来日もしています。

俺の人生も物干し線上にあるみたいだ。

タイトルの「I Remember Everything」は「私はすべてを覚えている、記憶している」という意味になりますが、何を覚えているのでしょうか。

歌詞をすべて和訳してみます。

Rot gut whiskey’s gonna ease my mind
(安酒が俺の心をほぐしてくれる)
※rotgut=品質が劣っているアルコール飲料の総称。
Beach town rests on the “drying” line
(海辺の町は”物干し”線上にある)
Do I remind you of your daddy in his 88 Ford?
(君の父親が88年型フォードに乗っていたのを思い出させているかい?)
Labrador hanging out the passenger door
(助手席をラブラドールが占領していて)
The sand from your hair is blowing in my eyes
(君の髪から砂が舞って俺の目に入る)
Blame it on the beach grown men don’t cry
(ビーチのせいだろ 大人になった男は泣かない)




Do you remember that beatdown basement couch
(あの地下室のソファを覚えているかい?)
I’d sing you my love songs and you’d tell me about
(俺はラブソングを歌い 君は俺にこう言う)
How your momma ran off and pawned her ring
(どうして俺の母親は指輪を質に入れて逃げたんだろうと)
I remember, I remember everything
(覚えている 全部覚えているさ)

A cold shoulder a closing time
(閉店間際の冷たくあしらう接客)
you were begging me to stay till the sun rose
(朝日が昇るまでここにいてと君は俺に懇願した)
Strange words come on out of a grown man’s mouth when his minds broke
(心が折れた大人の口から奇妙な言葉が飛び出す)
Pictures and passing time you only smile like that when you’re drinking
(写真と過ぎ行く時間 そうやって笑うのは酒を飲んでいる時だけ)
I wish I didn’t but I do, remember every moment on the nights with you
(思い出したくないけど思い出してしまう 君と過ごした夜の一瞬一瞬を)




You’re drinking everything to ease your mind
(あなたは心をほぐすために何でも飲む)
When in the hell are you gonna ease mine
(一体いつになったら 私の心を楽にしてくれるんだろう)
You’re like concrete feet in the summer heat
(あなたは夏の暑さの中のコンクリートの足のよう)
It burns like hell when two souls meet
(二つの魂が出会う時 地獄のように燃え上がる)
And you’ll never be the man you always swore
(そしてあなたはいつも誓っていたような男には決してなれない)
But I’ll remember your singing in that ’88 Ford
(でもあの88年型フォードでのあなたの歌はこの先も忘れない)




A cold shoulder a closing time
(閉店間際の冷たくあしらう接客)
you were begging me to stay till the sun rose
(朝日が昇るまでここにいてと君は俺に懇願した)
Strange words come on out of a grown man’s mouth when his minds broke
(心が折れた大人の口から奇妙な言葉が飛び出す)
Pictures and passing time you only smile like that when you’re drinking
(写真と過ぎ行く時間 そうやって笑うのは酒を飲んでいる時だけ)
I wish I didn’t but I do, remember every moment on the nights with you
(思い出したくないけど思い出してしまう 君と過ごした夜の一瞬一瞬を)




Rot gut whiskey gonna ease my mind
(安酒が俺の心をほぐしてくれる)
Beach town rests on the “drying” line
(海辺の町は”物干し”線上にある)
Do I remind you of your daddy in my’88 Ford
(君の父親が88年型フォードに乗っていたのを思い出させているかい?)
Labrador hanging out the passenger door
(助手席をラブラドールが占領している)




歌詞の内容から、おそらく現在は別れてしまっている恋人たちが、お互いにとって印象深い光景をそれぞれ思い出している…そんな感じだと思います。

思い出深い光景とは、借りて乗っていた彼女の父親の88年型フォードであったり、いつも犬のラブラドールが助手席に乗っていたことなのですが。

それ以上に思い出されるのが、男性がいつもお酒を飲んでおり、複雑な家庭で育ったゆえのアルコール依存症だということ。

お互いにとても愛し合っていたけど、彼の依存症は治らず、彼女が去ってしまった様子がうかがえます。




Youtubeには多数のコメントが!

この楽曲のYoutubeコメント欄には、こんなメッセージが届いていました。

アルコール依存症、うつ病、PTSDと闘いながら、バージニア州からの助けを待っているとき、この曲は胸を締めつけるけど助けになる。
「あなたは自分の心を楽にするために何でも飲んでいるけど、私の心を楽にするのは一体いつになるの?」と歌われると、自分にはゴージャスで愛情深く、思いやりのある妻がいて、私の闘いを助けてくれていることを思い出します。
今ではこの曲に対する評価が変わりました。

実際にアルコール依存症で悩んでいる方からのこちらのコメントには、3000以上ものいいね!がついています。

この曲は残暑の夜が明けた後の、ゆっくりとした朝日のよう。
実際に起こったことのない記憶の中の何かのようだ。インスタント・クラシック。

確かにどこかノスタルジックなサウンドのせいか、歌を聴いている自分さえもこの記憶を共有しているような気持ちになりますね。




スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする