お願いだから、俺が見つけないようにしてくれ。
2023年2月4日号のbillboard The HOT100 第4位(8週チャートイン 最高位 第4位)
2023年1月27日分 UK Official Singles Chart Top100 第8位(8週チャートイン 最高位 第7位)
【追記】2023年2月11日号のbillboard The HOT100 第3位までランクアップ!
今回はセンチメンタルな雰囲気ながら、ずっと聴いていても疲れない良曲、Metro Boomin(メトロ・ブーミン)・The Weeknd(ウィークエンド)・21 Savage(21サヴェージ)の『Creepin’(クリーピン)』をおすすめします。
3人のバイオグラフィーを簡単にご紹介。
Metro Boomin(メトロ・ブーミン)は、アメリカ・ミズーリ州セントルイス生まれの29歳(※2023年2月現在。)
中学生の時に母親が買ってきたラップトップで初めてビートを制作。
高校生になると一日で5個のビートを作るぐらい熱心になり、最初はラッパーを目指していたものの、プロデュース業も志すようになります。
これまでドレイク、グッチ・メイン、ミーゴス、フューチャー、ビッグ・ショーン、ポスト・マローンなどとコラボし、多くのヒット曲を世に送り出しています。
The Weeknd(ザ・ウィークエンド)は、カナダ・オンタリオ州トロント出身の32歳(※2023年2月現在。)
ルーツは東アフリカのエチオピアで、両親や祖母がカナダに移住。
10代の頃は高校を中退し、大麻をはじめ薬物に手を出しつつ、万引きもするなどかなり荒れた生活を送っていたようですが、働くようになってから作曲しては売り、そのうち自分自身のために曲を制作するようになります。
リパブリック・レコードとメジャー契約を結び、2012年にリリースしたアルバム『Trilogy』が全米アルバムチャートで4位に初登場。
2014年にはアリアナ・グランデとのコラボ曲『Love Me Harder』が大ヒットしさらに歌唱力が注目を浴びます。
その後も『Can’t Feel My Face』、『Starboy』、『Blinding Lights』などのシングルが大ヒットし、現在世界で多く聴かれているシンガーの一人です。
21 Savage(トゥエンティワン・サヴェージ)はイギリス・ロンドン出身の30歳(※2023年2月現在。)
7歳の時に母親と共にジョージア州アトランタに移住したものの、10代はギャングに加入。
2013年に親友が6回も銃弾を受けて殺されてしまう痛ましい事件がターニングポイントとなり、ラップを始めます。
亡くなった親友の叔父が21 Savageの音楽活動を経済的に支援していたという心温まるエピソードも。
2017年にポスト・マローンとのコラボ曲『Rockstar』で全米シングルチャートで第1位を獲得。
2020年には同じアトランタを拠点にし、今回も共作しているメトロ・ブーミンとのコラボレーション・アルバム『Savage Mode II』が発表されています。
参照元:interview magagine-21 Savage
いつからそんな女になってしまったんだ。
「Creepin’」には「こっそり忍び寄る」「這いまわる」のほかに、「ゾッとする」といった意味もあるようです。
歌詞をすべて和訳してみます。
Somebody said they saw you
(誰かが言ってた お前を見たって)
The person you were kissing wasn’t me
(俺じゃない奴とキスしていたのを)
And I would never ask you
(俺は決してお前に聞いたりしないよ)
I just kept it to myself
(自分の胸の内にしまっておく)
I don’t wanna know
(知りたくない)
If you’re playin’ me, keep it on the low
(俺を弄んでいるのなら 言わずに秘密にしておいてくれ)
‘Cause my heart can’t take it anymore
(俺の心はこれ以上受け入れられないから)
And if you’re creepin’, please, don’t let it show
(そしてもしコソコソやってるのなら バラさないでくれよ)
Oh, baby, I don’t wanna know
(知りたくないんだ)
I think about it when I hold you
(お前を抱きしめた時について思う)
When lookin’ in your eyes, I can’t believe
(お前の両目を見つめても もう信じられない)
And I don’t need to know the truth
(俺は真実を知る必要はない)
Baby, keep it to yourself
(ベイビー お前だけの秘密にしておいてくれ)
I don’t wanna know
(知りたくもない)
If you’re playin’ me, keep it on the low
(俺を弄んでいるのなら 言わずに秘密にしておいてくれ)
‘Cause my heart can’t take it anymore
(俺の心はこれ以上受け入れられないから)
And if you’re creepin’, please, don’t let it show
(そしてもしコソコソやってるのなら お願いだから バラさないでくれよ)
Oh, baby, I don’t wanna know
(知りたくないんだ)
Did he touch you better than me?
(奴は俺よりも上手にお前に触れた?)
Did he watch you fall asleep?
(奴はお前が眠りに落ちるのを見たのか?)
Did you show him all those things, that you used to do to me?
(お前は俺にしてくれていたようなことも 奴に全部見せたのか?)
If you’re better off that way
(もしそっちの方がマシだと言うのなら)
There ain’t more that I can say
(もう俺が言えることはない)
Just go on and do your thing and don’t come back to me
(もう去って 好きなようにしてくれ そして俺の元へ戻って来ないで)
Had me crushin’, I was cuffin’ like the precinct
(お前を好きになって 取り囲まれて手錠をかけられていたんだ)
How you go from housewife to a sneaky link?
(どうやってお前は主婦からそんな浮気女になった?)
Got you riding ‘round in all type of Benzes and Rovers
(ベンツにもランドローバーにも 何でも乗せたのに)
Girl, you used to ride in the rinky dink
(なぁ お前は陳腐な車に乗っていたのに)
I’m the one put you in Eliantte
(俺はお前にエリアンテを着けてあげられる一人なんだよ)
※Eliantte=高級宝石ブランド
Fashion Nova model, I put you on the runway (On God)
(Novaのファッションモデルのように ランウェイを歩かせてあげる)
※Nova model=アメリカの有名なモデルエージェンシー
You was rockin’ coach bags, got you Chane’-ne’
(コーチのバッグがお気に入りのようだけど シャネルを買ってあげる)
Side bitch in Fresco, I call her my baby
(2番目の都合の良い女 俺は彼女をそう呼ぶよ)
I got a girl but I still feel alone (On God)
(他に女がいても まだ独りだと感じてしまう)
If you playin’ me that mean my home ain’t home (On God)
(俺を弄ぶなら 俺の家はもうお前の家じゃないよ)
Havin’ nightmares of goin’ through your phone
(お前の携帯電話を経由して 悪夢を見る)
Can’t even record, you got me out my zone
(もういちいち記録さえもできない 俺の範囲から出て行ってしまったんだ)
I don’t wanna know
(知りたくない)
If you’re playin’ me, keep it on the low
(俺を弄んでいるのなら 言わずに秘密にしておいてくれ)
‘Cause my heart can’t take it anymore
(俺の心はこれ以上受け入れられないから)
And if you’re creepin’, please, don’t let it show
(そしてもしコソコソやってるのなら お願いだから バラさないでくれよ)
Oh, baby, I don’t wanna know
(あぁ 知りたくもない)
If you creepin’, just don’t let me find out
(もしコソコソやってるのなら とにかく俺が見つけないようにしてくれ)
Get a hotel, never bring ‘em to the house
(ホテルでも予約して もう決して家には持ち込まないでくれ)
If you’re better off that way
(もしそっちの方がマシだと言うのなら)
Baby, all that I can say
(もう俺が言えることはない)
If you’re gonna do your thing then don’t come back to me
(もう去って 好きなようにしてくれ そして俺の元へ戻って来ないで)
歌詞の内容から、どうやら妻の浮気を知ってしまった夫のモヤモヤとした感情を吐露している様子がうかがえます。
しかも夫も浮気してみたものの、スッキリとした気持ちにならず。
もう離婚を決断しているようにも思える、深刻な状況ですね。
サンプリング曲はFugees(フージーズ)
この『Creepin’』の楽曲に使われているサンプリングはFugees(フージーズ)の『Ready or Not』。
1996~1997年にかけて、世界中で大ヒットした歌です。
さらに上記で挙げた『Ready or Not』は、アイルランドを代表するニューエイジ歌手Enyaの『Boadicea』をサンプリングしているようです。
1987年にリリースされた楽曲のようなので、『Creepin’』はサンプリングとしての歴史を積み重ねている楽曲とも言えそう。
どの曲も類似していますが、それぞれその時代を表現した一曲になっていますね。