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Mumford & Sons(マムフォード・アンド・サンズ)『Believe(ビリーヴ)』

曖昧な関係になってしまって、何を信じたら良いのか分からないけど、多分まだ別れたくないんだ。

2015年5月8日付 The Official UK Singles Chart 第38位(9週チャートイン・最高位 第6位)。

2015年5月16日号のbillboard The HOT100 第79位(8週チャートイン・最高位 第31位)。


今日オススメするのは、イギリス・ロンドン出身のフォークロックバンド、Mumford & Sons(マムフォード・アンド・サンズ)の『Believe(ビリーヴ)』です。


2012年に世界中で大ヒットした『Babel』をリリースし、ワールドツアーをしていたものの、突然無期限の活動休止を宣言。

この『Believe』は、活動休止後、初めてのアルバムとなる『Wilder Mind(ワイルダー・マインド)』からの先行シングル。

なんと、バンジョーやマンドリンといった楽器が際立つフォークではなく、思いっきりハンドルをきってロック路線に。

この曲は、夜の海のようなセンチメンタルでメランコリックなサウンドが印象的ですが、徐々にエレキギターやドラム色が強くなり、ロックテイストになっていきます。

MVでは、夜のロンドンをドライブしているような気分になり、途中、ネオンが万華鏡のように美しい映像を創り出します。

ロンドンに住んでいる人さえ、「こんなトンネルがあるんだ」や「この道路、どこだろう?」なんて声もちらほら。

よく見ると、「Believe」と書いてある標識も出てきたりして、隠れたこだわりも。

歌詞の世界観は、どうやら恋の終わりを迎えているらしき二人。
サビの
「I don’t even know if I believe(信じているかどうかさえ分からない)
 I don’t even know if I believe(信じているかどうかさえ分からない)
 I don’t even know if I wanna believe(信じたいのかどうかさえ分からない)
 Anything you try to say to me(君が僕に言おうとしている何もかもが)」

から、曖昧になってしまった二人の関係を信じてよいのか、または口論になったり、それとなくほのめかしてくる意味が分からず、心情的には相手を心底求めているものの、失望している様子を描いているのではないかと感じます。

でも、興味深いのは、信じたいのかどうかさえ分からないと歌いながら、「何か言ってくれよ」と相手に強く訴えていたりもして。
まだそれなりに相手を愛していて、別れる決断ができず、もがいている様子とも言い表せるのかも。

大人のラブソングであり、切なくて、どこかハートをぎゅっと掴まれるような歌でもあります。

歌ではさまよい続けますが、MVでは、ある場所に到達します。
その場所が、ニューアルバム『Wilder Mind』のジャケット写真になっていたりして、こういう趣向も素敵ですよね。

フォークテイストが少し控えめで、彼らのサウンドとしては新しいタイプになりますが、こういう歌も生み出せるんだな、とソングライティングやアレンジの幅広さを改めて世に知らしめる一曲となるのではないでしょうか。








brand_newmusic: Author:brandnewmusic 生来、音楽を愛してやまない私が繰り広げるパンドラの箱。 散りばめた音楽の中に、あなたとの出会いがありますように。 私のポリシーは、ただ売れているとか、人気や話題性があるアーティストを取りあげるのではなく、私自身が心から素晴らしい、素敵だと思った一曲を皆様に紹介する!です。 音楽発掘玉手箱を目指しています。
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