僕がそばにいなくても幸せそうで嫉妬するよ。
2015年9月2日付 The Official UK Singles Chart 第3位(12週チャートイン・最高位 第2位)。
今日は心に寄り添ってくれるような、優しく美しい一曲をおすすめします。
Labrinth(ラビリンス)の『Jealous(ジェラス)』です。
この歌は、ラビリンス自身が4歳のころに別れた父親のことを背景に作られた様子。
と同時に、ラビリンスはこの歌について、
多くの人々がこのような経験をしている。
この歌は、(父親と別れた時)僕の家族がどんなふうに感じたかといった視点から書かれたものだけど、僕は誰もがこの歌に入り込めるよう、歌を聴いてくれる人々の状況に関連づけられるよう書きたかったんだ。
と語っており、つらい別れを経験した人なら誰もが共感できる歌となるよう心がけてソングライティングした模様。
参照元:labrinth unveils heart-breaking ballad ‘jealous’
ラビリンスの立場に置き換えれば、僕という子供がいなくても幸せに過ごしているであろう父親に嫉妬しているといったニュアンスになり。
たまには「僕のこと、思い出してくれてる?」と問いかけるような心情も含まれ、父親の背中を見つめる小さなラビリンス少年が目に浮かんできて切なくなります。
また、これを恋愛に置き換えてみれば…。
『Jealous(ジェラス)』という曲名から、最近では私も過去記事で書いた
Nick Jonas(ニック・ジョナス)の『Jealous(ジェラス)』が記憶に新しいですが。
嫉妬といっても人間には様々な感情があると思うのです。
例えば、ニック・ジョナスが歌うJealousは、可愛らしい恋人に降り注ぐ男性からの視線にやきもちを焼き、顔を真っ赤にして怒っちゃうような分かりやすい嫉妬心を描いた内容で、こちらはこちらですごく解るのですが。
一方ラビリンスが歌うJealousは、去ってしまった相手の幸せを願いつつも、自分がいなくても相手が幸せに生きている様子にやきもちを焼いてしまう。
そんな哀愁が漂う歌なのであります。
戻って来ないかなって、ほんの少し期待もしている。
でもこの歌の場合、もうあきらめているし、無理だとも分かっていつつ、相手を失った悲しみと向き合っているのですね。
そんな心情が雨音のような繊細なピアノのサウンドとマッチして、本当に心に沁みます。
MVでも情感たっぷりに歌っています。
それにしても、黄色のセーターがとっても似合ってますね。